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2011年1月30日 (日)

街も家庭も”サボテン化”現象?

 暮らしや生活に潤いがなくなった、という声をよく耳にする。潤いがなく、とっつきにくい女性を「サボテン女」といわれるが、それと似た現象が世相となって近所付き合いや家庭にも広まってきた。万事に几帳面な高齢者の間にも、最近はそうした傾向が目立ち”サボテン老人”がふえている。

 「サボテン女」の意味を知らない中年世代も多いが、この造語が流行りはじめたのは1994年6月に週刊誌『SPA!』が「サボテン女の生態レポート」という企画をとりあげたのが起源といわれ若い世代に普及した。
 サボテンは砂漠にも育つように乾いていてトゲを持っている。潤いがなく、トゲのため近寄りにくい一人暮らしの女性を「サボテン女」と呼んだ。食事はコンビニ弁当、掃除、洗濯もあまりせず、風呂はたまにしか入らずシャワーだけですませる。水やりなどはやらずに手間のかからないサボテンとよく似ていることから「サボテン女」が生まれた。
 掃除もせず散らかっている部屋は、人も寄せ付けない。これもサボテンのトゲと同じで、ズボラのうえ、人との付き合いも少なく、生活に潤いがなくなる。一人暮らしの若い女性の一面を物語る言葉として普及したが、2007年、TBS系のドラマ『肩越しの恋人』で、主演の米倉涼子が「サボテン女」と呼ばれたことから、再び普及しはじめた。

 それが若い女性だけでなく、一般の家庭や街にも広がってきた。同じ住宅地で顔は知っていているのに、たまにすれ違っても挨拶はおろか会釈も交わさないのが普通になった。普通の家庭でも、主婦は食事づくりに手間をかけずスーパアーで売っている調理済みの食品ですませたり、コンビニ弁当で間に合わせる傾向が目立ってきた。
 ゴミの分別が喧しくなり、一頃は台所などの料理屑などが圧倒的に多かったが、最近は出来合い食品のトレイ、コンビニ弁当のビニールなどプラスチックやビニール製品のゴミが山になっている。ゴミひとつみても家庭で食事づくりに手を抜くのがはっきり分かる。
 レストランや喫茶店は、中年女性のグループで溢れ、夕食づくりの時間までお喋り。帰りは料理済みの食品を買って、夕食の食卓に並べる。家はあまり掃除をしていないから、お互いの家庭に集まるよりも、外で落ちあうほうが気楽である。
 また、スポーツサークルやフィットネスクラブに通う女性がふえ、体操や泳いだ後はクラブでゆっくり入浴、家ではガス代を節約してたまにか風呂を湧かさない。スポーツはしないで入浴をするためだけのジム通いの未亡人や一人暮らしの老女も少なくない。
 掃除は、ヘルパーや街の掃除屋さんに頼む。とくに身体に障害があったり、介護を必要とするほどでもないのに、疲れるからという理由の場合が少なくない。老齢なれば、毎日の掃除や家事をきちんとこなすのは大変である。それでも、つい最近までは、掃除と食事づくりは女性の仕事といった意識が定着していたが、それが薄れときた。中年女性はパートで忙しいからと家事は二の次と、意識が変わってきた。
 これでは若い女性だけを「サボテン女」と皮肉れない。

 ”草食系男性”の夫がふえて、妻の”サボテン化”にも文句をいわず黙認している。こうした傾向は、子育てや家庭教育に影響するのは避けられない。やがて、サボテン化現象は、家庭や街の秩序を乱す社会問題に発展しないとも限られない。
 サボテンだって、乾いて潤いがなくトゲで人を寄せ付けないだけではない。ちゃんと水やりをして手入れをすれば、花の女王といわれる月下美人のような豪華で美しい花を咲かせる。”サボテン化”などと揶揄しないで、まともな生活態度を取り戻せは世相も落ち着いてくるだろう。

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