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2011年1月24日 (月)

確定申告シーズンの憂鬱

 毎年、1月末の所得税確定申告シーズンになると気が重い。年金などから源泉徴収された税金の納め過ぎが還付申告で手元に戻ってきて、多少の小遣いになる。それが相次ぐ控除の廃止で、還付金は減って楽しみがなくなり、面倒な書類づくりだけが重荷になる。

 ことしは、「扶養控除」が昨年より10万円減額されて38万円。それも、民主党の廃止論に野党の自民党が待ったをかけて、辛うじて生き残ったもので来年はどうなるか分からない。消費税の値上げをしなくても、税金の「控除」をなくせば事実上の値上げとなる。
 民主党は菅政権になってから、自民党時代から消費税値上げの財政論者・与謝野馨氏を引き抜き、マニフェストも修正して公然と増税路線に舵を切り替えた。与謝野氏は、突然、年金の支給年齢引き上げ案を独自に発表して反発を買った。
 税金の「控除」廃止は、増税の隠れ蓑である。「税と社会保障の一体化」を菅政権は、新政策の柱にしているが、与謝野氏が主役になると増税に重点が移って、社会福祉はその犠牲になると懸念されている。菅首相もエイズ訴訟で活躍した実績から社会福祉論者とみられながら、年金、高齢者対策をみても具体案がなく、福祉マインドはうかがわれない。

 ことしは例年になく早々と、1月中旬には国税庁から「確定申告用紙」が送られてきた。税務署の説明会、還付申請の受付も早目で、年金機構からの源泉徴収証明や市区役所からの国民保険料、介護保険料などの証明書類が後を追って届いた。受付締め切りは3月15日なのに早手回しである。
 かつては「老齢者控除」をはじる扶養者の「特別控除」などもあり、還付申告すれば、かなりまとまった還付金が帰ってきて、ちょっとした小遣いになった。税の仕組みを知らない老人たちが、医療費の領収書の束を抱えて受付日には長蛇の行列ができた。大半は国民年金受給者でほとんど源泉徴収されていない。申告すれば医療費が戻ってくると勘違いして早朝から行列をつくって、税務署員が税金の還付で、医療費の戻しではないと説明しても納得せず手古摺らした時代もあった。いまは還付の意味も徹底して、そうした混乱は少なくなったが、いまだに還付手続き説明会には多くの高齢者が駆けつけるので、会場は大抵、公会堂や大ホールになっている。

 試算してみたら、来年度に「扶養控除」がなくなると、雀の涙ほどの還付金はゼロになることが分かった。民主党政権になったら、少しは還付金が増えるかと期待していた人も少なくないが、これでは自民党時代のほうがよかった、と短絡的に考えてしまう老人が増えるだろう。
 菅政権がいつまで持つか分からないが、確定申告の際には増税の隠れ蓑である「控除」を真剣に考えて、騙されないようにしたほうがよい。賢い納税者になって、民主党などの税制改革論議を見極めるのに、確定申告はよい機会である。

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