フィットネス・クラブの失敗譚
太極拳の初体験で、股関節の筋肉を痛めてからやがて4週間になる。「痛み君こんにちは」を書いて、ぼつぼつ痛み君ともサヨナラと期待していたら、フィットネス・クラブのジムで失敗、痛みは長引きそうだ。
「体調が優れない方は休んでください」と、ジムでは毎日、なんども繰り返して放送している。スポーツや体操は「継続は力なり」とよく言われるが、体調が悪いときは休むのも勇気である、と諭された。
太極拳で股関節を痛めたのは、不器用な癖にムキになって力を入れてしまい緩やかな動作の太極拳に背いたのが原因と承知している。
骨には異常はなく、日頃使わない筋肉を捻ったのが原因だから1週間もすれば痛みは消える、という整形医の診断だった。そのとおりには行かなかったが、2週間で痛みが薄れた。「運動をしなさい」という医師の言葉に従って、ジムでマシンによる筋肉トレーニングを再開した。
筋肉がなまってしまうという心配から、自転車漕ぎ、ウオーキング・ミルも以前どうりにやった。その翌日、また痛みが再発した。整形医は腰椎が原因かもとレントゲンを撮ったが異常はない。鎮痛剤を飲んだら、痛みは嘘のように消えて、こんどは歩行ミルはやめて負担の軽い自転車漕ぎだけにした。プールの水中歩行も続け、これで痛みともサヨナラと喜んでいた。
ところが、その3日後には股関節の痛みがまた再発。こんどは重症で、ビッコをひくどころか歩けない。家の中では這つたり、階段を登るのには手をついて四足のようにして体重を支えて痛みを堪える始末になった。あまりの急変に驚いて、懇意の主治医に相談した。
診察は、レントゲン診断頼りの整形医とは違って、脚の付け根を何回も強く押しながら痛む箇所をみつけてくれた。『股関節の筋膜炎?』という診断でしばらく安静を命じられた。
整形医のように「動きなさい」とは言わない。筋肉の炎症がとれてから、体操やジムを再開しなさい、それまでは筋肉を休めることが肝心といわれた。いまは筋トレブームで、少しサボっていると筋肉は退化するといわれるので、すこし良くなったら再開したのが失敗の原因だった。
スポーツジムにあるマシンや器具を使ったトレーニングは、健康な人には効率的に筋力強化ができるが、股関節に障害がでた場合は、負担が大き過ぎて関節を痛めたりするので、自力トレーニングがよいと、はじめて教えられた。
マシンは、調節はできるが一旦決めてセットすると、なかなか変えられない。不思議にマシンを使っているときは痛みもなくスムーズに動くから効果があったと思いこんでしまう。
負荷が大きすぎて、痛みなどの障害が出るのは2日後くらいのことが多い。とくに高齢になると反応が鈍いから、痛みが出てくるが遅い。
ジムで高齢者が真剣になってマシンと格闘でもするかのように取り組んでいる姿をよく目にする。汗みずくになってわき目も振らずに、1時間近くもミル歩行をしている。年相応のトレーニングが分からないのが、機械を使ったマシントレーニングの盲点と、はじめて気づいた。
インストラクターもアルバイトが多く、機械の操作方法を教えるのが精一杯で、後はトレーナー任せといのが実状である。筋トレもジムのマシンだけでなく、自主的なトレーニングの大切さを、こんでの失敗で痛感さられた。
筋肉を強化する積もりが、逆に痛めてしまっては何にもならない。
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