生活給付金は"蛸の足"
蛸には面白い習性がある。空腹になったり、食べるものがなくなると自分の足を食べる。そして、食べた跡からはなにも生えてこない。麻生首相が新総合経済対策として、生活重視を名目に発表した「生活給付金」は、国民が自分の足を食べる"蛸の足"である。
3年後には、消費税の増税とワンセットになっているからで、雀の涙の給付金に騙されてはいけない。「金さえばらまけば就いてくる」という乞食根性を狙った、国民を愚弄した前代未聞の悪政、しかも総選挙を意識しての現金バラマキは、公金を使った買収も同然で質か悪い。「一億総買収」の眼くらましに国民は怒るべきである。
もっとも、懸命な国民は給付金だけ手にして、蛸の麻生内閣に「なめるな」とソッポを向くかもしれい。もともと、こんな愚政の張本人は公明党で、その品性が問われる。1999年・平成11年の小渕内閣のとき公明党の提案で、消費拡大という名目で「地域振興券」という現ナマばらきをして失敗した。公明党には、そうした前科がある。
庶民生活には疎く、スーパーマに足を入れたこともなく、カップラーメンの値段も知らない麻生氏は、公明の提案を丸呑みした。連夜、高級ホテルのバーをはしごしている麻生氏の一夜の飲み代にもならない額の交付金、それで国民の生活が潤うと思うのは世間知らずもいいところである。
「百年に1度の金融恐慌」と大きく出て、その解決の担い手と胸を張るのは結構だが、開口一番、口をついて出たのは雀の涙ほどの「生活給付金」とは、あまりにも、ちまぢましい。そして。高速道路料金は、日本中どこへいったも千円とぶち上げた。
高踏的で庶民の暮らしは知らぬ麻生氏。たかが一人15000円程度のはした金に国民が有難がると思っているとすれば、まさに、首相が愛好する漫画である。高速道路は1000円だぞと強調しても、流通に関係のあるトラックは適用外。1000円だからといって、毎週、行楽やドライブには出かけられない。ガソリン代は高いし、飲食宿泊代もかかる。生活を考えるなら、物価に輸送費としはねかえるトラックにも適用すべきである。
正直のところ、もっと内容の濃い総合経済対策が出るかと多少は期待していたが、あきれた。評論家筋も感想を求められて「きっきりしたのは消費税増額を3年後と明示したたけ」という反応だった。
これでは、自民党は麻生氏を選挙の顔として総選挙を戦う自信が持てなくなる。居座らせてボロが出ればますます困難になるから、早期解散をと党執行部は焦るが、麻生氏ご本人は「政局より政策」と曖昧な態度をとり続け、党執行部との間に溝が深まっている。
蛸が食べた自分の足の跡からは、なにも生えてこない。麻生氏に対して、「近来にない最悪の首相」という批判が自民党内からで囁きはじめらているという。それが事実なら、本物の"蛸の足"になってしまう。
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