首相の思いつき構想は迷惑
麻生首相の思いつき構想や発言が多すぎる。突然、厚生労働省の分割構想を発表して関係を寝耳に水で慌てさせた。生活給付金をはじめとして、国の施策が首相の「一夜の思いつき」で実施されるケースや、発言撤回も多く、「首相の一言」の重みを肝に銘じて欲しい。
こんどの、厚労省の分割構想は、発表前に政策担当や関係省庁によって検討された形跡はなく、麻生首相の"思いつき"とみられている。政府は慌てて、首相の指示に沿って、厚生労働省を社会保障省と国民生活省の二つに分割し、内閣府や文部科学省の部局を統合して再編、国民生活省に「少子化・児童局」を新設する構想を発表した。
年金問題が浮上、医療保険問題の改編が課題になって、厚生行政の重要性が見直されたかと思うと、こんどは雇用問題の悪化が問題になって雇用対策、そして少子化問題と、社会保障と生活問題の比重が重くなってきた。だからといって、3ヵ月後には衆院議員の任期切れという時期に、こうした重要課題を提案するのは納得できない。
2001年に中央省庁再編で、縦割行政の弊害をなくすため大幅な省庁の統廃合を実施、1府22省を1府12省に縮小してから8年しか経っていない。省庁の統廃合には、公務員を削減して人件費を節約するという狙いもある。
麻生首相は、行政改革を骨抜きにして逆に公務員の数を増やしたり、官房副長官の増員など人員削減に逆行する動きが目立っている。その矢先の厚労省の分割発表である。省が増えれば、当然のように人員増になるから官僚は反対しない。
省の数を増やしたからといって、社会保障や生活問題、少子化問題が解決するわけではない。それも、首相の一夜の思いつきだけで、事務当局で検討した末ではない。高齢者対策ひとつにしても、老人いじめをするだけで、これといった施策もなにひとつ打ち出さないで社会保障など、だれも信用しない。
政治家や官僚には、もともと社会福祉という思想が薄い。贅沢三昧な生活をして生活苦の経験もなく生きたきた麻生首相に、社会福祉など理解できる筈がない。だから、省庁を増やせば解決すると安易に考え、思いつきで唐突に発表するのである。
生活給付金は、麻生首相もまったくの思いつきで実施され、2兆円もの税金をつぎ込んだのは衆知の事実である。あの思いつきで、全国の自治体は大混乱、行政は停滞した。「金を恵んでやればよい」という首相の社会福祉思想は時代遅れである。それを補佐する側近も同様の頭脳しかないので、国民にはまったく迷惑である。
しかも、任期も少なく、国民の支持も底をつき余命のない麻生首相が、社会保障や国民生活の改善を口実に省庁の分割という大問題を思いつきだけで断行されたらかなわない。殿様の一言とはいえ、現在の経済状況からみて制度改革は安直に同調すべきでない。
その意味で、自民党内には少子化問題に関連する保育園と幼稚園の幼保一元化に慎重な構えをみせているのは歓迎できる。国民に迷惑をかける"思いつき施策"は、謹んで欲しい。低支持率を挽回しようと焦れば、焦るほど深みにはまる。麻生首相のノーテンぶりに、いつまでも付き合っているほど国民生活には余裕がない。
| 固定リンク

コメント